これからそろばんを習わせようと考えている保護者の方にとって、気になることの一つだと思います。

正直に言えば、そろばんを始める時期としては、少し遅めかな?という印象です。

でも、だからといって「今から始めても伸びない」ということでは決してありません。

むしろ、小学校3年生、4年生だからこそのメリットもあります。

小さい頃から始めるメリットは「最初の計算方法」にある

幼稚園や低学年からそろばんを始める子は、まだ自分の中で計算方法がしっかり出来上がっていないことがあります。

そんな時期からそろばんを始めると、子どもにとって「計算する=そろばん」という感覚が自然に身についていきます。

一方、小学校3年生、4年生になると、学校ですでに筆算などの計算方法を習っています。

人間はどうしても、自分が慣れている方法、楽にできる方法を使いたくなるものです。

そのため、そろばんを習い始めても、頭の中ではこれまで覚えた計算方法を使おうとすることがあります。

特に暗算では、頭の中にそろばんの珠をイメージすることが大切になるため、この「計算方法の切り替え」が一つのポイントになります。

でも、小3・小4には大きな強みもある

ここまで読むと、「やっぱり遅いんだ……」と思われるかもしれません。

でも、小学校3年生、4年生から始めることには、幼児や低学年にはない大きなメリットがあります。

それは、理解する力がすでに育っていることです。

こちらが計算方法を説明した時にも内容を理解しやすく、ある程度の計算力も身についているため、最初の段階ではスムーズに進級していく子もいます。

そろばんは簡単な問題からスタートします。

「分かる!」

「できる!」

「また級が上がった!」

そんな経験が続けば、そろばんそのものが楽しくなります。

そして楽しくなれば、もっと練習したくなる。

この好循環に入ると、途中から始めた子でもグングン伸びることがあります。

ここがポイント
始める年齢だけで、その子がどこまで伸びるかは決まりません。大切なのは、新しい計算方法を素直に受け入れ、そろばんと暗算の練習を続けられるかどうかです。

後から始めた子が追いつくこともある

小さい頃から習っている子と、3年生、4年生から始めた子。

当然、長く習っている子の方が先の級へ進んでいることが多いです。

これは、ある意味当たり前のことです。

でも、後から始めた子が追いついたり、追い越したりすることも実際にあります。

特に、そろばんが好きになって夢中になった子は強いです。

後から始めた分を取り戻すくらい一生懸命練習すれば、その差がどんどん縮まっていくことがあります。

もちろん、長く続けてきた子には、それまで積み重ねてきた力がありますから、また追いついたり、追い越したりすることもあります。

私は、そうやって子どもたちが互いに刺激を受けながら成長していくのも、とても良いことだと思っています。

一番のポイントは「暗算」

小学校3年生、4年生から始める場合に、私が特に意識するのは暗算です。

そろばんそのものは、理解力がある分、後からでも十分に伸ばしていくことができます。

一方、そろばん式暗算では、実際のそろばんがなくても、頭の中に珠を思い浮かべて計算します。

すでに別の計算方法に慣れている場合、このイメージをつくることに少し時間がかかることがあります。

ただし、これはあくまで一般的な傾向です。

小学校3年生、4年生から始めて、暗算が大きく伸びた子も実際にいます。

年齢だけで「暗算は伸びない」と決めてしまうことはできません。

結局は「何歳から」だけでは決まらない

これまで子どもたちを見てきて感じるのは、始めた年齢以上に大切なことがあるということです。

先生から教わったことを素直にやってみる。

これまで覚えた計算方法と、そろばんの計算方法をうまく切り替える。

そして、頭の中に珠をイメージしようと繰り返し練習する。

そういう子は、途中から始めても十分に伸びていきます。

反対に、いくら小さい頃から始めても、練習に気持ちが向かなければ、必ずしも早く上達するとは限りません。

「もっと早く始めておけばよかった」と思う必要はありません。

確かに、小さい頃から始めるメリットはあります。

でも、小学校3年生、4年生には、その年齢だからこその理解力や成長の仕方があります。

大切なのは「何歳から始めたか」だけではなく、始めてからどれだけ夢中になり、正しい方法で積み重ねていけるか。

興味を持ったその時が、新しい力を身につけるスタートになればいいと私は思っています。