昨日までは順調だったのに、急に間違いが増えたり、合格点まで届かなくなったりすることもあります。
そんな時、子どもは「もう無理」「自分にはできない」と、諦めたような気持ちになりがちです。
しかし、伸び悩んでいる時こそ、ただ同じ練習を繰り返すのではなく、少しやり方を変えてみることが大切です。
少し方向を変えるだけで、気持ちも変わる
例えば、いつも前半から解いているのであれば、後半の問題から始めてみる。
最初は足し算だけに集中し、時間が余ったら足し引きの問題へ進む。
このように、取り組む順番や目標を少し変えるだけで、子どもの気持ちが切り替わることがあります。
煮詰まっている時は、何をしても駄目なように感じてしまうものです。しかし、少し違う方向から問題に向き合うことで、再び点数が伸び始めることも少なくありません。
伸び悩んだ時は、練習量を増やす前に、どこでつまずいているのかを見つけることが大切です。
急ぐことより、正しく計算すること
点数が上がらない原因として多いのが、珠を動かす指の使い方、いわゆる「運珠」の間違いです。
ほんの少し指の動かし方が違うだけでも、正しい答えになりません。その間違った動きが癖になると、どれだけ速く計算しても点数は伸びにくくなります。
新しい級へ進むと、問題も難しくなり、子どもは「もっと速く弾かなければ」と焦ります。
しかし、急ぐほど指が空回りしてしまうこともあります。
まずはそろばんをしっかり見て、正しい指使いで落ち着いて計算する。
一見遠回りに見えますが、結果としてそれが一番のスピードアップにつながります。
苦手なところまで戻ることも、前進の一つ
伸び悩んでいる時は、一度前の級に戻ることもあります。
例えば、掛け算や見取算はできているのに、割り算だけ点数が取れないのであれば、割り算のどこかにつまずきの原因があります。
その場合は、前の級の問題へ戻ったり、苦手な計算だけを繰り返したりして、原因を一つずつ取り除いていきます。
前の級へ戻ることは、後退ではありません。
弱い部分を補強し、もう一度前へ進むための大切な準備なのです。
分からなかったことが、翌日にできることもある
子どもは不思議なもので、新しいやり方を教えた日に全く理解できなくても、翌日になると急にできるようになることがあります。
その日は分からずに泣いていた子が、一晩眠った次の日には、昨日よりもスムーズに問題を解いていることもあります。
練習した内容が、眠っている間に頭の中で少しずつ整理されているのかもしれません。
だからこそ、一日うまくいかなかっただけで、「この子には難しい」と決める必要はありません。
大切なのは「正しい努力」
一生懸命頑張ることは、とても素晴らしいことです。
しかし、間違った指使いや計算方法のまま練習を続けても、なかなか結果にはつながりません。
大切なのは、ただたくさん練習することではなく、正しいやり方で、一生懸命取り組むことです。
私たち指導者の役割は、子どもが頑張っている方向をしっかりと見て、必要であれば正しい方向へ導いてあげることだと思っています。
伸び悩んでいる時は、成長が止まっている時ではありません。
次の壁を乗り越えるために、弱い部分を見直している大切な時間です。
焦らず、原因を一つずつ見つけ、正しい練習を積み重ねていけば、ある日突然、今まで越えられなかった壁を越える瞬間がやってきます。
その瞬間を信じて、私たちも子どもたちと一緒に、一歩ずつ進んでいきたいと思っています。
