結論からお伝えすると、そろばんを習ったからといって、必ずしも算数全体が得意になるわけではありません。そろばんは、あくまでも「計算力」を育てる習い事です。
しかし、30年以上子どもたちを指導してきた中で、計算力が身につくことで算数全体にも良い影響が現れる場面を、私は数えきれないほど見てきました。
計算が速くなると、「考える時間」が増える
学校の算数では、限られた時間の中で問題を解く機会が多くあります。計算が速くなれば、その分だけ文章問題や応用問題をじっくり考える時間が生まれます。計算に追われることなく、問題そのものと向き合えるようになることは、大きなメリットの一つです。
また、学校で「計算が速いね」「すごいね」と周りから認められる経験は、子どもにとって大きな自信になります。その自信が「もっと勉強を頑張りたい」という気持ちにつながり、結果として算数全体の成績が伸びていくお子さまも少なくありません。実際に、保護者の方から「算数の成績が上がりました」という嬉しいご報告をいただくことも多くあります。
計算力だけではない、そろばんの魅力
さらに、そろばんでは一問一問に集中して取り組むことが求められます。その積み重ねによって、計算力だけでなく、集中力も自然と育まれていきます。
暗算では、頭の中にそろばんを思い浮かべ、その珠を動かしながら計算を進めます。数字だけを追うのではなく、頭の中でイメージを描きながら計算するため、イメージする力も養われます。私は、この力が図形問題や立体を頭の中で考えるような場面でも、良い影響を与えているのではないかと感じています。
もちろん、そろばんだけで文章問題や図形問題が解けるようになるわけではありません。しかし、計算力・集中力・イメージする力、そして何より「自分にもできる」という自信は、子どもたちの学びを支える大切な土台になります。
いちばん育てたいのは「自信」
私は、子どもの成長において最も大切なのは、自信を育てることだと考えています。
「できた!」という小さな成功体験は、私たち大人が想像する以上に大きな力となり、学ぶことへの前向きな気持ちを育ててくれます。
